国旗のデザイン

DESIGN CASE STUDY

国旗のアイコン

国旗のパターン①三色旗

国旗は、数種類の基本的な型(パターン)で作られています。どのパターンが一番多いと思いますか?

旗のパターンを並べた表

正解は、三分割のパターンです。

旗を横か縦に三等分し、3つの色を塗り分けた「三色旗」が、世界の国旗で最も多く使われています。一番古くから使われているのがオランダの国旗で、16世紀にスペインから独立した際に赤(またはオレンジ)・白・青の国旗が原型となり、さまざまな国旗に影響を与えました。

NETHERLAND オランダ/16世紀にスペインから独立。その後、海上帝国として黄金時代を築く。配色が表しているのは、国民の勇気、信仰心、忠誠心。

オランダは当時、世界中でもっとも自由で商工業が盛んな豊かな国だったので、ロシアやその他の国々が三色旗を真似するようになったのだそうです。

その後、1789年に起こったフランス革命で掲げられたのが青・白・赤の、縦三色旗でした。

FRANCE フランス/1789年にフランス革命勃発。この革命で掲げられた旗がフランスの国旗になった。王妃マリーアントワネットらはヴェルサイユ宮殿を追われる。オランダの三色旗を縦にした。配色は、博愛・平等・ 自由を表す。

そしてフランスの国旗となった三色旗は、「自由・平等・博愛」の象徴として知られるようになり、三色旗は自由の精神とともに、世界中の国旗に採用されるようになりました。 

下の国旗地図を見てください。ヨーロッパの中心の国々の国旗は、ほとんどが三色旗です。

三色旗を採用しているヨーロッパの国々の国旗地図

歴史的に見ると、旗はもともと、身分の高い人たちが周りに「自分がリーダーだ」と知らせるためのものでした。また中世ヨーロッパや日本の戦国時代には、王や隊長・武将の印であったり、戦場での所属を表すものとして使われていました。

「旗はそれぞれの国の印」という、軍事的な意味から離れた新しい考え方は、船舶の所属を示すための商船旗として17世紀に始まり、19世紀のはじめには根づいていたそうです。20世紀の終わり頃には、世界中の国が自分たちの国旗をデザインするようになりました。

三色旗の色に込められた意味

ヨーロッパで三色旗を採用している国々も、三つの異なる色によってそれぞれの国のアイデンティティを表しています。

ヨーロッパの国々の、三色旗に込められた意味 詳細①RUSSIA ロシア/GERMANY ドイツ/FRANCE フランス/ITALY イタリア/ROMANIA ルーマニア/NETHERLAND オランダ/BELGIUM ベルギー/HUNGARY ハンガリー/AUSTRIA オーストリア/BULGARIA ブルガリア

ヨーロッパの国々の、三色旗に込められた意味 詳細②SERBIA セルビア/SLOVAKIA スロバキア/IRELAND アイルランド/CROATIA クロアチア/MOLDOVA モルドバ/LITHUANIA リトアニア/SLOVENIA スロベニア/ESTONIA エストニア/LUXEMBOURG ルクセンブルグ/ANDORRA アンドラ

同じ色を使っていても、各国によって違う意味付けがされているのがわかります。

でも赤は「血」の意味で使われていることが多いです。「血」と聞くと少しこわいようなイメージですが、歴史の重みと、革命や戦争で流した血を無駄にしないという未来への意志が込められています。

また、配色を比較することで、デザインのいろいろな視覚効果が確認できます。

三色旗を並べて眺めてわかること(一例)
  • 三色の組み合わせによる印象の違い
  • 同じ面積を使っていても、水平の三色旗は横長に見え、垂直の三色旗は縦長に見える
  • 民族性を残そうとするときに、伝統の色を使用するのはとてもわかりやすく、有効な手段
  • 紋章は三色旗に格調を与える
  • 有名でよく見る国旗は、人口の多い国(※表は人口順)
 

 

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Created by
chikage egawa

デザイナー / 国旗のデザインの研究記録として。2020年の東京オリンピックに向けて、世界の国旗の読み解き方やおもしろさを、デザインの視点から紹介します。